波及事故とは？

上記の写真は、2011年の計画停電の写真です。
計画停電は、国策としておこなわれた地域停電ですが、波及事故をおこしたしまった際は、写真のように、近隣地域の電気を止めてしまう大事故につながります。

電力会社の配電用変電所から供給される電気は、ひとりのお客さまに対して送電しているのではなく、1000件以上のお客さまに対して電気が送られています。
この中には、一般住宅や事業所、電気の供給がとまると大惨事につながる病院などの医療施設も含まれている可能性があります。
万が一、お客さまの自家用電気工作物（キュービクル）で事故が発生した場合は、（お客さまの構内で事故をとどめることができない場合）電力会社の配電用変電所から供給されるすべての一般住宅や事業所の電気を止めてしまう事故につながります。

電力会社とお客さまには、責任分岐点があるため、電力会社側の設備に対する落雷などによる突発的な事故の場合は、お客さまが責任を問われることはありませんが、お客様側の設備に対して発生した事故については、お客さまが責任を負うことになります。

このようなリスクを回避するためにも、電力会社や電気主任技術者が、地絡保護機能付きの高圧開閉器（PAS・UGS）などの設置の推奨をおこなうのもこのためです。

事故元は公表されてしまうため、停電で損害が生じた近隣の一般住宅・事業所から損害賠償請求をうけることも想定されるため、波及事故の可能性がある事業所は、早期に対策を講じることをお勧めします。

平成23年度に、関東東北産業保安監督部（経済産業省）の管轄エリア内で波及事故は、110件も発生しています。
波及事故後に、関東東北産業保安監督部が事故元へアンケートを集計した結果がありますので、参考までに掲載させていただきます。